もし、光を当てるだけで新しい材料を創り出せるとしたら?――多くの人にとっては空想のように聞こえるこの発想こそが、フロケエンジニアリングを研究する物理学者たちの目標です。光のような周期的な駆動によって、材料の電子構造を「着せ替え」、半導体を超伝導体に変えることさえ理論的には可能です。
これまでにも光駆動によるフロケ効果は実験的に観測されてきましたが、材料が蒸発しかねないほど強い光が必要な一方、得られる効果は限定的でした。今回、研究チームは、純粋な光ではなく、光によって生成される励起子(エキシトン)を用いることで、はるかに低いエネルギーで強力なフロケ効果を実現できることを示しました。この成果は、応用フロケ物理学への道を切り開き、将来的には新しい量子材料や量子デバイスの創出につながる可能性を秘めています。